学生の感想

特別講義:フェリーナ・N・キング先生
「先住民の大地の聖なる水の流れ―それをめぐる消去と強奪の歴史」を受講して

 キング先生の英語による特別講義を受講した学生のコメントを以下にいくつか紹介します。

 本来はアメリカ全土が先住民の土地であるという当たり前の事実を今回の授業で初めて認識した。歴史の授業でアメリカの成り立ちを学んでいたにもかかわらず、先住民の立場にたって歴史を考えたことがなかった。ハイジャックされた歴史ではなく、もっと注目されるべき声があることを知った。歴史が民族の数だけあるのは本当のことだと思った。(K)

 直接英語のプレゼンテーションを聴いたが、気持ちも重要さもしっかりと伝わり、とてもよい機会になった。特にこれまで先住民について詳しく知る機会がなかったので、先住民の言葉をきちんと聴き、歴史上の話と考えるのではなく、共に歩んでいることを忘れずに、今後より詳しく学んでいきたいと思った。たくさん先住民に関する映画を紹介してもらったので、先住民の気持ちを考えながら一つ一つ観ていこうと思う。(I)

 アメリカで実際に先住民がおかれている状況の深刻さを感じながら研究をしているキング先生の話を聴くことができ、非常に勉強になった。自分もこれまで先住民がどれほどひどい環境で過ごしているのか大学で学ぶまで知らなかったから、先住民たちの話に耳を傾けることの重要性を感じた。また先住民に関する映画で、歴史がゆがめられていないものもあるということなので、見てみようと思った。自分から進んで知ろうとしなければいけないということも強く感じた。(T)

 先住民でありながら、先住民の子供たちが自分は何者であるかを知らないということは、社会が先住民という存在を消そうとしてきたことの証拠だと納得した。存在を消されるということは、文化を消されるという問題であると気がつかされた。現在世界中で、例えば世界遺産の保存のように、歴史を大切にしようという動きがあるが、それは実際にはごく一部に過ぎず、どの文化にも隠されている過去が多くあるのだろうと感じた。(Y)

 先住民の文化が盗用され、一部の権力者にとって都合の良いように利用されている事実はとても衝撃的だった。先住民の神聖な文化が誤った情報によって汚されてしまうことはあってはならないと思う。そしてこのような先住民に関する問題は他国だけの問題ではなく、日本にも通じることだと思う。すべての情報やメディアが正しいとは限らず、権力者によって事実がねじ曲げられているかもしれないことに気をつけなければならないと思った。(T)

 自分がいかに多数派として何も悩まず暮らせていたか、改めて分かった。アメリカの人種問題や先住民の話を聞いて学んで、もっと日本の先住民についても理解を深めていきたいと考えた。実際に北海道の博物館などを訪れて、自分のなかで何か引っかかるものがあるか探してみたい。今回の講義で分かった気にならず、比較文化学部にいる人間として、他の人に伝えられるくらい先住民や土地をめぐる問題について、日本のことも含めて学んでいきたい。(M)