江頭ゼミ

比較文化演習16-Ⅰ Ⅱ

3年ゼミ一同

 江頭ゼミでは、男性と女性の話し方について研究しています。デボラ・タネンのYou Just don’t Understandなどを基に、男性は情報を重視したリポートトークであるのに対して、女性は感情を重視したラポートークであるということを学んでいます。さらに、男性のリポートトークと女性のラポートークには6つのタイプに分類され、それぞれの事例を比較しながら理解を深めています。例えば、男性のリポートトークには、(ⅰ)「地位」を築こうとする話し方(ⅱ)上下の優劣を競う話し方(ⅲ)自らの独自性を強調する話し方(ⅳ)対立的・攻撃的な話し方(ⅴ)情報を重視する話し方(ⅵ)直接的表現を用いる話し方、女性のラポートークには(ⅰ)「親和」を築く話し方(ⅱ)対等を重んじる話し方(ⅲ)周囲との同質性を強調する話し方(ⅳ)強調的・平和的話し方(ⅴ)感情を重視する話し方(ⅵ)間接的表現を用いる話し方と分類されます。これらの項目を10月の半ばまでに済ませました。これが終了した後、人間の発話をつかさどる脳の構造と機能についていくつかの文献の一部分を授業の中で学習しています。その中で人間の進化を考える機会があったのですが、人間は進化の過程で「中性化」が進行中であることを学びました。現代の男女の会話スタイルもまた「中性化」を受けている可能性があると考えられ、人間の本質に迫ることが出来るのではないかと期待しています。

比較文化セミナー

筒井麻衣

 4年ゼミでは、卒業論文の作成を中心に授業が行われました。前期は会話データを4つ収集して、それらをタネンの分析がどの程度反映されているかをクラス全員で検討しました。タネンの分析と現代日本の男女の会話スタイルの類似点・相違点が多くあり、時代の変化により会話スタイルの変化も生じていると実感しました。後期は前期で得た分析を基に卒業論文を作成しました。研究していくなかで浮かんだ疑問を軸に、様々な文献にあたることにより自分の考えを固めていきました。
 今年は対面授業だったので、クラスでコミュニケーションをとりながら進めることができ、色々な角度から分析を行うことができました。3年ゼミから論文作成を進め、各章ごとに先生が添削してくださるので計画的に進めることができました。また論文の方向性によってゼミ内でグループに分かれ、グループ内で意見を交流することにより、論文を深い内容にすることができるとともにモチベーションに繋がりました。
 卒業論文で扱った分析は、家庭や職場など男女が共同する現代社会において役に立つと思います。また男性同士のデータを収集することができなかったので、機会があれば男性同士のデータも収集して分析していきたいと思います。