学生の感想

授業内特別講演会感想「イギリスのバラッドにおける発展と変遷」

特別講義感想大崎優里奈

 今回の講演会で扱われたイギリスの“バラット”というものついて、当初私は一切知識がなく、講演内容をきちんと理解し興味をもって拝聴することができるのかがとても不安でした。しかし、バラッドそのものの基本知識から、様々なバラッドに関する背景や芸術性などについて学ぶことで、イギリス文化をより深く理解するきっかけとなり、とても充実した時間を過ごすことができました。
 講演内容の中で深く印象に残っていることは主に2つあります。まず“CRUEL MOTHER”というバラッドの内容の残酷さです。「バラッド自体、全体的にどこか暗いテーマや文章である」とおっしゃっていましたが、赤ちゃんを殺すというあまりにもトリッキーなテーマであり、とても印象的でした。バラッドは個人の感情を交えず1つの出来事や会話を劇的に語ることが特徴ですが、詠み継がれていく中でイギリス帝国の衰退を感じた民衆の感情や考えをどこか表しているようにも私は感じました。
 もう1つは、バラッドが現代の音楽に活きているということです。「米津玄師の曲の中にも登場している」と講演内で教えていただいたので、他にもバラッドが活きている現代の身近な音楽はないだろうかと思い、調べてみました。今私たちがよく耳にする曲は、あまりバラッドの枠に入らないものが多いそうですが、あえて挙げるとすれば、LISAの『炎』・official髭男dismの『Pretendar』・サザンオールスターズの『TSUNAMI』なども一種当てはまるとのことです。また今度講演会でお会いすることができたら上記の音楽について、バラッドとどのような点で関係性がみられるのかどうかお聞きしたいと思いました。とても実りある時間を過ごさせていただき、本当にありがとうございました。



イギリスの民謡「バラッド」から得られた学び三倉柚菜

 今回の特別講演会では、イギリスの民謡「バラッド」をテーマに、その多様性や歴史について学んだ。バラッドは個人の感情を含めず、ある出来事を劇的に語ることが特徴である。内容は人の記憶を頼りに歌い継がれるため、地域や時代によっては、ひとつのバラッドに600種類のバージョンが存在するそうだ。
 講演会で実際にバラッドを聴き、“Barbara Allen”が特に印象に残った。“Barbara Allen”の3種類のバージョンは同じバラッドであるにも関わらず、柔らかさや悲しさなど、それぞれ異なる印象を受けた。一方で、それらはいずれも歌詞に “Barbara Allen”を含んでいた。これは、多くのバージョンが存在しても、同じ“Barbara Allen”としての存在を知ってもらえる強みになるそうだ。
 伝統と多様性の両立は難しいように思えるが、バラッドは人々に愛されるからこそ現代でも歌い継がれているのだろう。また、民謡からも文化や歴史に触れられ、自分自身の視野が広がった。お話を聞けば聞くほど、バラッドの奥深さや多様性があることに魅力を感じ、とても興味深い講演会だった。