ジョンソンゼミ

ジェンダーフリーな社会にするために
~モデルとするべき北欧デンマークと比較して~

鈴木美桜

 国連機関であるSDSNは毎年、世界幸福度ランキングを発表している。
 今年日本は54位、上位を占めているのは北欧の国々だ。日本人は先進国で技術の面で発達もしているし、生活の不便も少ないのにも関わらず、生きている上で幸福度を感じられていないのだろうか。北欧から何か日本に取り入れるべき考えがあるとするならばジェンダーフリーを大切にする考え方であろう。
 北欧諸国のうちのデンマークを具体例に挙げ、働き方・教育・子育ての3項目に分けてデンマークから見習うべき部分や、日本の課題を取り上げた。そこから見えてくるのはやはり日本に根強く残っている男女差別の現実だ。昔ながらある男尊女卑の文化はなくなっては きているものの、形姿を変えながら今でも残っている。女性ばかりが被害者と思われがちで あるが、男性にも困っていることは多々ある。
 日本は、戦後の経済成長を経て男女雇用機会均等法が 1985年に出されたあたりから女性の働き方改革には取り組んできているが、成果はあまり良くない。デンマークは税率が高い代わりに、休暇を大切にし、長く働き続けることができる働き方や、教育サポート・子育てサポートや社会福祉制度など、国が積極的に暮らしのサポートをしてくれる国だ。貯金が必要ない国としても有名だ。長年そのスタイルを確立してきた。しかし日本はデンマークほど税金が高くなく、稼ぎたい人が稼ぎ、暮らしていく上でのサポートも デンマークほど国が動いてくれる場面は少ない。このようにデンマークと日本は根本的に違う部分があるからデンマークと同じようにするのは難しいだろうと思う人もいるであろう。
 しかし国民を大切に思い、何十年後も国が発展していってほしいという同じ思いを抱えていたらそれは可能だ。結果として国民から評価されているのはデンマークなのだ。働き方・子育て・教育全てのカテゴリーに日本になかったジェンダーフリーの考え方を取り入れてみたらどうなるだろうか。女性は職種関係なく働きやすくなるだろうし、男性も昔ながらの男が稼ぐという負担から軽減されるだろう。子育ては女性がするものという概念を無くして、両親共に子育てに参加して未来の国の宝を育てる。男の子女の子性別問わず好きなことを学び、自立した大人になるまで一生懸命学び続ける。
 日本について表面的にみてみると、何不自由ない暮らしができて、平和な国というイメージをする人が多いだろう。しかし課題に向き合い、ジェンダーフリーの考え方を当てはめてみると日本はさらにいい国になり、国民が誇りを持って日本は最高だと言えるようになるのではないか。