比較文化学会 会長挨拶

3年ぶりの開催となった大妻女子大学比較文化学会総会

大妻女子大学比較文化学会 会長 佐藤円

 新型コロナウイルス感染症の流行が始まり、すでに3年あまりの月日が経過しました。この間大学では授業のみならず、本学会のような研究活動も感染症対策の観点から対面方式の実施ができずにおりました。しかしながら、そのことが学生に深刻な影響を与えてきたことは言うまでもありません。教員や学友との対人での交流ができないことによるコミュニケーション不足が、学生の大学生活の質を著しく低下させたのです。そのような状況を解消するために、本学では今年度からは多くの授業を対面方式に戻すことにしましたが、本学会のような学生を主体とする研究活動も可能な範囲で正常化していくべきであるとの判断に至り、2022年10月15日(土)に千代田キャンパスE棟055教室において3年ぶりに対面方式で学会総会を開催しました。そこでは学生の学会委員のみなさんによる議事進行で、まず前年度の事業・決算報告が行われ、続いて今年度の事業計画と予算案の審議が行われた結果、すべてが滞りなく承認されました。
 以上の議事が終了した後、昨年ならびに一昨年は実施できなかった4年生による卒業論文中間発表会も実施されました。アジア、アメリカ、ヨーロッパの各コースより2名ずつの代表による多彩な中間発表は、まさに比較文化学部の国際性と学際性と象徴するものとなりました。聴衆として参加していた下級生たちにとっては、自らの卒業論文に向けたテーマ選びに多くのヒントを得る機会になったようです。
 その一方で、残念ながら今年度は会場教室の使用に時間的制約があったため、通常なら総会にあわせて学外から講師を招いて行われる記念講演会や講師との交流会は開催できませんでした。学生が授業とは違った形で学問知に触れる貴重な機会ですので、来年度はぜひ開催できるようにしていきたいと考えています。総会と卒業論文の中間発表と記念講演会、そしてその後に開かれる交流会が一体となって実施できてこそ、本学会の設立目的である「比較文化学部における研究の振興および教員と学生の相互親睦を図る」ことになると確信するからです。