卒業論文中間発表会感想

千ヶ﨑愛「日本・韓国・中国における犬文化の比較研究―犬食文化を中心に―」感想

前原鈴香 近藤真生子 酒井優菜

 まず、千ヶ﨑さんは、初めに何枚かの写真を提示しました。その中の1つである犬が檻に入れられた写真を見て、可哀想だなと思ったのが第一印象でした。もし檻の中に入れられている動物が、犬ではなく豚や鶏など他の動物だったら、思わない感情を抱きました。現在の日本の文化では、犬は可愛いペットとしての位置付けであって、人間が食する物ではありません。比較を通し、これが文化の違いによる価値観の違いであると考えることができました。また、今まで牛肉、鶏肉、豚肉と聞いても、抵抗感や不快感をもつことがなかったので、最初「犬食」という言葉を聞いて犬を食べるの?という驚きがありました。これは、現在、日本では犬が愛玩動物としてや家族の一員として大切にされていることから、文化の違いによって受けた衝撃なのだなと思いました。
 他に、犬食に対して韓国でも見直しが行われていることから、近年では犬を愛玩動物として見ていることが多いんだなと思いました。かつての日本も含め、韓国、中国には犬食文化があるという実態に関して、この発表を通して深く知り、文化の違いについて理解することができました。ことわざに関しては、その国の文化が反映・影響されると思いますが、日本・韓国・中国の犬に関することわざを比較した場合、日本は狩猟用が多いのに対し、中国は警備の意味が多く、また中国、韓国双方で食用として用いられている例が多いことについて紹介していました。ことわざを通して犬に見出す存在意義や役割を垣間見ることができるのは大変興味深かったです。
 質問であがった「イルカ・クジラを食べる時はどう思うのか?」については、自分自身も考えてみました。世界的に日本におけるクジラを食べるという行為は、批判されています。私自身小学生の頃、一度だけ給食で食べたことがあります。その時、クジラって食べられるの?と思った記憶があります。批判する人々の考えの根本は、「これは食べられるのか」といった疑問から始まったのではないかと考えました。犬食やクジラ、イルカを食べる文化の批判はそれぞれの価値観であり、どっちが正解と言い切れないものだと改めて考えることができました。現代では、ビーガンといった考えを持つ人が増え、食に対する考え方も多様化してきているなとも感じました。今回の発表を通して、改めて文化の違いについて考えるとともに、国による犬の存在意義の差異や変遷について学ぶことが多く、自身の視野を広げることができました。