渡邉先生のゼミでは、前期は『ギリシャ劇大全』という本を教材にし、古代ギリシャの悲劇と喜劇をテーマに学びました。三大悲劇作家であるアイスキュロス、ソフォクレス、エウリピデスの『メディア』や『オイディプス王』といった代表的な作品を取り上げ、ペアでその劇の内容について発表を行いました。発表の後は、それぞれの作品に込められたテーマや関連する資料などについて渡邉先生から解説を受け、さらに内容を深めました。古代ギリシャの悲劇と喜劇に今まで触れていなくても十分に理解することができ、ギリシャ劇から古代ギリシャの文化や思想を学ぶことにつながりました。
また、6月には校外学習の一環として芳林堂高田馬場店で行われた羊皮紙展示会・トークショーを訪れました。古代〜現代までの数多くの記録媒体コレクションや古代ギリシャのヘルメット、楽器レプリカを手に取って鑑賞し、また羽ペンでパピルスや羊皮紙に文字を書くなど普段できない体験をすることができ、とても充実した学びとなりました。このようなイベントに参加することで学びへの理解を深めることができ、関心を広げることができたため、私たち自身のなかで非常に価値のある経験となりました。
後期は古代ギリシャの文化を紹介するイベントを開催しました。午前の部では、ギリシャ語で楽しくハッピーな状態を意味する「ケフィ」がテーマの「ケフィの会」の皆様による素敵なダンスと伝統衣装デモンストレーションが行われました。日本国内でギリシャ各地のダンスを実際に見られるとても貴重な機会でした。午後の部も黒海ギリシャの伝統衣装や音楽、歴史、伝統的なダンスを見たり実践したりかなりギリシャ文化を間近で感じることができるこだわったプログラムになりました。また、イベント運営をゼミ生で行うので、非常に学びの多い一日になりました。実際にギリシャからお越しいただいた方とも、交流ができたのが非常に良かったです。
当日のイベントが成功するようにゼミ生は主体的に行動しました。具体的には、グーグルフォームを作成し、入場者の管理や入場者からの質問にメールで返答しました。また、作成したチラシを学内の建物や掲示板に掲載できるよう交渉し、イベントの広告活動にも力を入れました。さらには、当日にはイベントで使う楽器を運び、モニターやパソコンを設置し、講演の資料を配り、入場者を会場まで案内しました。このように、大使館や企業、役所などといった人々と共同で活動するという貴重な経験を積めました。