貫井ゼミ

自分の好きなものを

𠮷田夢叶

 貫井ゼミでは、自分が興味を持ったテーマについて調査し、その内容をまとめたレジュメやパワーポイントを作成して発表します。発表後は先生やゼミ生と意見を交換しながら、自分の考えを深めたり新しい視点を得たりします。このプロセスを繰り返すことで、卒論に向けてテーマを明確にし、必要な情報を蓄積していきます。ゼミ生が取り組んでいるテーマは非常に多彩です。フットボールクラブと地域の関係性、生誕のファサードの彫刻の配置について、19世紀前半に活躍した女性実業家、そして19世紀末のファッションの変革など、それぞれが関心のある分野を自由に選び、掘り下げています。こうした幅広いテーマに触れることができるのもゼミの魅力の一つです。そのため、自分があまり関心を持っていなかったテーマについても、新たに知識を得ることができます。また、他のゼミ生の発表を聞くことで、最初は自分のテーマと無関係に思えた内容が意外な形で結びつき、自分の論文に新たな視点を加えるきっかけになることもあります。こうして、幅広い分野の学びが広がり、それが自分のテーマの理解を深めることにつながる点が、このゼミの大きな魅力です。貫井先生は西洋美術の専門家ですが、幅広い分野に対して的確なアドバイスや、そのテーマに沿った論文の書き方を指導してくださるため、どのテーマを選んでも安心して進めることができます。私は、もともとスペイン語を受講していたこともあり、貫井先生の人柄と先輩たちの卒論テーマやゼミでの活動内容に魅力を感じ、このゼミを選びました。同じテーマでも新たな発見があったり、異なるテーマの中に意外な共通点が見つかったりすることがあり、ディスカッションを通して視野が広がるのを実感しています。また、発表を通じて資料のまとめ方やパワーポイントの活用方法、参考文献の探し方など、基礎的なスキルも身につけることができます。他の授業や将来の活動にも役立つ知識や技術を学べるのは大きなメリットです。卒論と聞くと最初は漠然とした不安を抱えていましたが、3年生の早い段階からパワーポイントとレジェメなどで毎月準備を進めることで、具体的な方向性を見つけながら前向きに取り組むことができています。貫井ゼミでは、前期は自分が少しでも興味を持ったことについて幅広く調べ、後期からはテーマを絞り込んで研究を進めるという方針を取っています。私自身、3年生のときはスペイン発祥のブランドについて研究していましたが、4年生ではフットボールにテーマを大きく変更し、論文を進めました。テーマを変えた理由は、自分が本当に興味を持てる内容のほうが研究に対する意欲が高まり、より深く取り組めると感じたからです。実際に論文を書いてみると、限られた約8ヶ月という期間の中で好きなことを徹底的に調べる力がなければ完成には至らなかったと思います。このゼミで定期的に情報を収集し、それをまとめる経験を重ねたおかげで、自分の考えを持ち、それを言葉で表現する能力が身についたと感じています。貫井先生は、ゼミの時間に私たちのテーマに関連するアドバイスだけでなく、発表資料の作成方法や参考文献の効率的な探し方、さらには広い視野を得られる話題なども提供してくださいます。こうした手厚いサポートのおかげで、卒業論文に対して漠然とした不安を抱えることなく、着実に進めることができています。