「コルセット」という言葉は聞いたことはあったのですが、詳しくどんなものであるかを知りませんでした。その為、大塚さんの発表を聞くまでは、コルセットというと、ただウエストを細く見せる為に、着用していたのかなと思っていました。その為、コルセットとその歴史には、女性の社会進出や、上流階級の人々の生活のスタイルの変化がその背後にあると知り、驚きました。また、男性が理想とする華奢で細いウエストを強調する為であることや、「女性は家庭の天使であるべきだ」という社会的背景に呼応するように、コルセットによる身体への抑圧が強まっていたのではないかという考察がとても興味深かったです。大塚さんの発表を通して、私自身も西洋の女性のファッションについて、もっと知りたいなと思う良いきっかけになりました。
ヨーロッパにおける女性のファッションの変遷と、彼女たちの社会的な自立を関連付けて論じるという構成が非常に興味深かった。第1章にあったように、19世紀に見られる家庭礼賛の時代では「家庭の天使」というイメージが女性に埋め込まれることに対して大きな抵抗はなく、コルセットの締め付けが象徴するように、女性の自由も制限されていった歴史が印象に残っている。発表を聴く中で、こうした時代背景の裏には絶対的な権力を自負するイギリスのある意味での「傲慢さ」があったのではないかと考えた。しかしそこに第一次大戦という、イギリスの勢力を失墜させる出来事が起こることでファッションやそれに伴う女性の在り方も大きな過渡期を迎えることになる。西洋社会の立て直しが行われた「モダニズム」の時代に、革新的なファッションを発信したポール・ポワレやココ・シャネルといった女性が、現代の私たちにも馴染み深いのは、デザイン性だけでなく、時代の先駆者として女性を窮屈からの解放へと導いたためであると理解できた。
大塚さんの発表を通じて、ファッションが時代の流れとともに大きく変化してきたことを改めて理解しました。特に印象的だったのは、女性問題や革新に潜む保守性について言及しながら進められたお話です。当時の社会が求めた「女性らしさ」という価値観が、ファッションにどのように反映されていたかを知ることができました。第一次世界大戦が一つの契機となり、女性解放が進む中で、ポール・ポワレやココ・シャネルといったデザイナーが、機能性を重視した新しいデザインを提案し、ファッションに革新をもたらした点が非常に興味深かったです。さらに、現代のダイエット文化に触れた部分も印象的で、理想のスタイルを追い求める現代社会の風潮が「見えないコルセット」として女性に影響を与えているとの指摘は、過去と現在のつながりを考えるきっかけになりました。発表全体を通して、ファッションを通じて時代の変遷や社会の価値観が浮き彫りにされており、内容に一貫性があって非常に分かりやすかったです。このような視点からファッションを考えることで、今後の社会や自分自身の価値観についても深く考える契機となりました。