特別講義要旨

「伊藤博文の政治思想と実践」

銭国紅

 12月5日(木)3限、アジア研究入門の授業内で開催された「伊藤博文の政治思想と実践」をテーマとする公開講演会が、中国社会科学院歴史研究院世界史研究所東アジア研究室から講師1名の他に、スペシャルゲスト4名を迎え、本校の学生や院生、教員の参加のもと、順調に終了した。本講演会では、近代日本の礎を築いた伊藤博文の政治的ビジョンやその実践について深く掘り下げ、彼が明治憲法の制定や立憲政治の確立に果たした役割を中心に解説が行われた。
 講師には歴史学者の陳偉教授をお迎えし、伊藤博文が西洋の政治思想や憲法理念をどのように日本に応用したかについて、具体的な分析をわかりやすい言葉で紹介する講義が行われた。また、質疑応答では、伊藤博文が清朝末期の啓蒙思想と民国初期の憲政構想にどのような理解をしているかについて、活発な意見交換が行われた。
 参加者からは、「歴史的視点を通じて現代日本の課題を再認識できた」「伊藤博文の人物像がこれまで以上に深く理解できた」といった感想が寄せられ、講演内容への高い評価が伺えた。
 本講演会を通じて、伊藤博文の思想と実践の歴史的意義と時代背景を再確認するとともに、彼の取り組みから得られる現代社会への示唆を考える機会となった。