武田ゼミ

長谷部奈々

 武田ゼミでは、3年次は書評とその発表、4年次は卒業論文の経過報告を行っています。発表ごとに、教授やゼミ生たちと議論や意見を重ねることで、理解を深めています。ゼミ生の論文テーマは、ジェンダー、教育、文化、ファッション、絵画などバラエティに富んでいます。
 私は『韓国女性アイドルがつきつける新たな女性像 ―ガールクラッシュ―』という研究テーマで、卒業論文を作成しました。このテーマを選択した理由は、書評を重ねるなかで、韓国の音楽シーンで誕生した「ガールクラッシュ」という言葉に出会い、ガールクラッシュが作り出している新たな女性像について考察したいと考えたためです。論文中では、韓国女性アイドルのデビューまでの流れや、メディアの活用方法、ガールクラッシュの意味や成り立ちについて論じました。また、実際にガールクラッシュ色の強い楽曲を数曲引用し、歌詞やMVを分析することで、ガールクラッシュがつきつける女性像について考察しました。
 卒業論文を執筆するなかで、行き詰まることもありました。しかし武田ゼミでは、学生自身が自由に卒業論文のテーマを選択できるため、それぞれが色々な知識を持っているなかで、意見を交えることができます。そのため、自分では思いつかないような発想や気づきを得ることができ、より良い論文作成に繋がりました。


窪寺佑季

 私の卒論のテーマは「ジャポニスムはなぜ成功したのか(シノワズリーとの比較から)」でした。私は西洋絵画に関する書評を行う中で、ジャポニスム(日本趣味)という現象がヨーロッパで流行していたこと、別の時代に同じようにシノワズリー(中国趣味)が流行していたことを知りました。しかしながら現代ではジャポニスムの方が表立っているためその違いを明確にするため2つを比較しました。その中でフェルメール、フランソワ・ブーシェ、印象派などの絵画作品を取り上げました。その結果、1、シノワズリーが過去に流行していたからジャポニスムが受け入れられたこと。2、ヨーロッパへの影響としてシノワズリーは物を中心に、ジャポニスムは絵画を中心にあったこと。3、印象派画家たちの日本美術に学ぼうとする姿勢があったこと。その3つを結論付けました。
 このゼミを行なってきた中で、卒論制作を通して早い段階から自分は何に興味があるのかを少しずつ固めて行くことが出来ました。また複数の本や論文から卒論を作成していくことは大変ではありましたが、成し遂げられた自信にも繋がったと思います。


笠原希実

 私は『日本のワーク・ライフ・バランスを考えるー欧州諸国との比較を通じてー』というテーマで卒業論文を書きました。このテーマを選択した理由は、私自身が就職活動を通じてワーク・ライフ・バランスの整えられた働き方に魅力を感じた事がきっかけです。しかしその一方で、日本では長時間労働や有給休暇取得率の低さが叫ばれ、ワーク・ライフ・バランスが浸透してない実態がありました。そこで、ワーク・ライフ・バランスへの先進的な取り組みを行う欧州諸国を比較対象とし、日本のワーク・ライフ・バランス実現に向けた取り組みを模索するため、研究を始めました。
 論文を作成するにあたり、様々な文献や論文を読むことで理解が深まった事は勿論ですが、社会に出て必要な力を身につけることも出来たように思います。特に文献の探し方や読み方、発表の仕方や文章の書き方など、実践的に学ぶことができたため、非常に良い経験となりました。この経験は、将来も必ず役に立つと思います。