学生の感想

授業内特別講演会「イラク・シリアの現状」を受講して

鈴木胡桃

 今回の講演で印象に残ったことが2つある。
 1つ目は女性差別の深刻さだ。イラクで学校に通えない子どもが多いというのは募金の広告やニュース等を見て知ってはいた。しかし、その原因は貧困や、紛争だと思っていた。もちろんそういったことも問題ではある。だが、学費や制服代、昼食代は無料で、学校に通うためには紙とペンという必要最低限があれば通えるという。そこで問題になっていたのが父親などからの、「女性は教育を受ける必要がない」「女性は家から出ないのが普通」といった差別である。正直日本社会も女性差別が根強いと思っている。しかし、イラクの現状を聞いてもっと深刻な国があることに非常に驚いた。また、日本と違って女性差別的な考え方には宗教が関わっているため、そういった考え方をなくすことは非常に難しいことだと感じる。
 2つ目はNGOの仕事内容だ。私のNGOに対するイメージは、現地に行き炊き出しを行ったり、学校に行って現地の子どもたちと触れ合ったりすることだった。実際はそういったことだけでは無く、マネジメントが主な仕事ということをうかがった。どの学校を修復するのか。なぜその学校なのか。また学校を建てるだけにとどまらず、どういった教育に力を入れるのか。など様々なことを考えながら活動しているという事実を知ることができた。そういった活動のお金は外務省から出ているがそれだけでは十分とは言い難く、やはり募金やクラウドファンディングが重要になっている。
 人柄や文化、考え方が日本とは大きく異なるイラクという国で活動するというのは私にはすごくハードルの高いことだと感じる。一方でこういった活動を行っている団体を支援することが大事だと感じた。イラクのことやNGOについて詳しく知るきっかけになり、非常に良い講演に参加できたと思う。