武田ゼミ

滝口翔子

 私は「クラシック音楽に潜む西洋史の影」というテーマで卒業論文を作成しました。小学時代から現在まで積み上げてきた自身の音楽経験と、ヨーロッパ文化コースで学びを深めてきた西洋諸国の文化を結びつけて卒業論文を作成したいという思いがきっかけで、クラシック音楽の研究を始めました。
 研究を進める中で、次のような具体的な目的が生まれました。クラシック音楽は癒しに括られるものではなく癒しを含むものであること、そしてクラシック音楽が持つ歴史的資料価値を明らかにすることです。狭義のクラシック音楽といわれる古典派時代と、その前後を築いたバロック時代、ロマン派時代の3つの時代に焦点を当てて、クラシック音楽を通して見えてくる西洋史に潜む恐怖の事象や社会問題といった影を提示しました。
 次に、武田ゼミについて紹介します。3年次には、自分が興味のある事柄について、書籍や論文、記事といった様々な資料を用いて徹底的に知識を増やし、書評を書きます。また、定期的に研究内容の発表を行い、武田先生やゼミの仲間から意見を頂きます。それは、自分の論文を客観的に見つめて整理する大切な時間であり、そこで得られる新たな観点や助言は卒業論文をより豊かなものにしてくれます。そして、仲間の研究内容についても詳しく知ることができ、テーマは違っても自身の研究内容と予想外の共通点を見出すことができて面白いです。4年次には、研究を進めつつ計画的に卒業論文を書いていきます。武田先生が少しずつ丁寧に添削をしてくださるため、自信と余裕を持って完成することができました。


南雲すみれ

 私の卒論のテーマは「なぜモン・サン・ミッシェルは日本人に人気なのか」でした。私は小学生の頃、世界遺産の図鑑を見た際にモン・サン・ミッシェルのその美しさと他にはない姿に感動し興味を持つようになりました。またアクセスのしにくさにもかかわらず、実際に現地で多くの日本人観光客を目にしたこともこのテーマについて考えるきっかけとなりました。そして卒業論文を通じて、日本人の間でモン・サン・ミッシェルの人気が高い理由として、モン・サン・ミッシェルと似たような世界遺産(広島の厳島神社)が日本にもあること、本やツアーの口コミ、新聞の影響、そして外観の神秘的で唯一無二の姿、内部の建築様式の多彩さであると結論づけました。
 武田ゼミでは、3年次に書評とその発表を前期と後期で複数回行います。そして4年次には、コロナの関係もあり、卒業論文完成に向けて各々で進めていき、進捗状況を兼ねた発表を何回か行いました。武田ゼミでは学生のやりたいテーマを自由に設定することができるので、論文テーマは一人一人全く異なり、多岐に渡ります。
 また、ゼミが卒論執筆に役立った点は主に2つあります。1つ目は他の学生の意見を多く聞けたことです。発表の際には毎回、先生や他の学生からの意見、感想を聞くことができるのでとても良い機会になり、新たな視点を発見できました。2つ目は3年次から多くの書評に取り組めたことです。卒論をコツコツと進めていくことは大事だと思うので早いうちから卒論に関連する本を読み、書評を作成したことは4年次になってとても役立ちました。