佐藤実ゼミ

3年ゼミ 山下真理子

 佐藤ゼミは13名が所属しており、前期では一人一人が大学近くの神社で引いた元三大師御籤と呼ばれるおみくじの訳注をつくります。このおみくじは冒頭に中国に由来する詩(五言絶句の形式のお告げ)があるので、辞書を用いてそのお告げを解読します。そして、そのお告げにもともとつけられている日本語による解釈、お告げにたいする総合的な解説、個別具体的(健康、結婚、引越など)な運勢を、おみくじに付せられた図の内容と比較しながら検討し、ゼミ生と先生とで意見を交換します。これまでのおみくじに対する見方とは異なった視点や知識を持つ事ができました。
 後期では更に発展させて、江戸時代から明治期に出版された元三大師御籤を集めた本を数種類、参考史料として合わせて読む事で、おみくじに記されている言葉の本来の意味に加え、いま私たちが引いているおみくじが時代によって変化してきた様子を知る事ができます。
 また、後期ではおみくじ分析とは別に、夏季休暇中にそれぞれが卒論に向けて興味を抱いて読んだ論文についての発表もしています。毎週発表者は新たな知識として得た部分と、著者の意見として疑問を抱く点や反発する点も含めてまとめて発表します。自分がこれから卒論を執筆していく上でどんなことを取り上げたいのかという事が明確になるだけでなく、他のゼミ生の発表を聞くことでこれまで興味を抱かなかった分野も知るなど幅広い情報を得る事ができます。さらに、自分のテーマを考えていく上で先生はゼミ生個々人に親身になってくださるので、既にテーマが決まっている人は勿論の事、まだ具体的にやりたいことが決まっていない人にも実りのある場所になると思います。


4年ゼミ 池上世奈

 佐藤ゼミは、最初に興味のあるテーマを選び、文献を読みながらレジュメを作成し、自分が調べた内容について発表し、その発表内容をゼミ全体でディスカッションをするという流れとなっています。
 卒業論文の進め方に関しては、早くも三年後期から丁寧なアドバイスの下、進級する前までに自分のやりたいテーマや研究内容の進め方などをサポートしてくれます。そして四年から本格的に論文制作に取り掛かります。発表自体は三年次と同じ形式で、新たにゼミ生が司会進行をします。具体的には、発表を行い、参加者がその発表に対して質問や感想を述べ、授業後manabaに全体のコメントを書くという流れです。提出したコメントは、次回の授業で先生が良いと思ったものを紹介してくれます。この流れを何度も繰り返すことによって、新たな視点に気づき、ゼミ生各々のテーマについて考えることができるだけでなく、ゼミ生とのコミュニケーション能力を深めることもでき、大変貴重な時間だと感じました。ゼミ発表のメインであるディスカッションの特徴は、意見交換によって様々な知識や発想をゼミ生全員で共有し、その上ゼミ生一人一人の意見や疑問点を得ることで自分の足りなかった箇所を把握することが出来るところです。
 少人数でのゼミなので意見交換もしやすい環境や時間を作ることはできたのではないかと思います。しかし、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の影響で前期はほぼオンライン授業であったため、自分や他のゼミ生の声が聞き取りづらくて内容についていけない時もありました。さらに、最初の発表や個別指導では指摘された箇所がたくさんあり、無事に卒業論文を終えることができるか不安になりましたが、それでも先生は卒業論文の制作において的確な意見やアドバイスをしてくれました。
 また、自由にテーマを考えることが出来るのも佐藤ゼミの醍醐味です。私は誰一人考えることがなかったテーマで進めたため、締切日までに素晴らしい論文を提出することができたと実感しました。
 最後に、発表に対して誰よりも積極的な意見や感想を述べ、分からないことをきっちり質問する人であれば、長期間にも及ぶ卒業論文を完成させることができますし、調べて自分の意見をまとめる力は社会でも役に立つことではないかと思います。
 このゼミに相応しいと思った方は是非佐藤ゼミに来てください。お待ちしております。