原ゼミ

3年ゼミ一同

 このゼミは、学生同士の仲が良いのはもちろんの事、先生との距離感がとても近いことが大きな特徴の一つです。先生は対等な立場で生徒一人ひとりの声を聞いてくださるため、気負うことなく質問・相談ができました。授業が始まる前に行う雑談から生まれた疑問や、発見が実際の授業内容に転じる日もありました。オンライン授業にも関わらず先生とお話しする機会を多く得られ、自分や仲間たちが興味を持っていることについてより深く学ぶことが出来ました。主な学習内容はドイツ語圏、ドイツ・オーストリアの芸術に焦点を当て、双方の民族性を様々な視点から考察を広げることです。今学期では、デューラーの『メランコリア』とフロイトの「連想」「置き換え」を結び付けて考えたり、オーストリアで生まれたオペレッタの経緯を「超自我」の観点と照らし合わせたりと、連想ゲームのような感覚でそれぞれの問題を展開していきました。特に一番力を入れていたのは、やはりフロイトの「夢判断」です。ゼミ配属当初は彼の考えを理解することに困難な面も多々ありました。しかし、フローチャート式で思考を整理したり、例えば表象解釈のような新しい考え方に触れていくうちに、少しずつ芸術の知識を広げられるようになりました。このゼミの学びは、対象の比較のみならず、様々な国の時代背景や人物に目を向けた上でそれぞれの解釈を学ぶ、「一を知って十を得る」の言葉に相応しい環境であるといえます。

4年ゼミ:安藤まり

 このゼミでは、比較文化学を学ぶと共に4年間の大学生活の集大成とも言える卒業論文を完成することを目的としていた。その為、担当教員である原研二教授が卒業論文を作り上げる為のヒントとなる具体例を紹介してくれる。例えば、“神”という概念。これは世界共通の誰もが理解出来る概念の一つだが、日本の昔話に出てくる神様といえば年を取っている神様、あるいは子供の神様が思い浮かぶ。しかし西欧の物語に出てくる神様の多くは、若く美しい顔立ちの神様が多い。神という概念は同じなのにこの違いはどこからくるのか。このような問題を教授が定義していき、日本文化を軸として海外の文化と比較する。また、原教授はこの“神”というテーマからこの概念が生まれた時代背景や神が住んでいる世界などに結びつけていき、色々な視点から一つのテーマを掘り下げ、私達の理解と興味関心を広げていく授業を行ってくださった。ところが新型コロナウイルスが発生してしまい、このような授業形式は難しくなった。
 新型コロナウイルスは、私達の授業を対面からリモートへと変えてしまった。私達学生と教授のやりとりは難しくなり、授業も満足に行うことが出来ず、出される課題をこなすだけになっていった。卒業論文のための資料集めも図書館などが利用出来ず困難となる中、教授は私達が卒業論文を期限内に仕上げるために的確な助言や資料を与えてくださった。新型コロナウイルスというイレギュラーな事態が起こってしまったが、こうして私達は卒業論文を書き終わる事が出来た。