わたしの卒論のテーマは「19世紀イギリスの労働者階級の子どもの生活」でした。
もともと中世ヨーロッパの雰囲気が好きで、歴史という大きな視点ではなく当時の生活文化など、身近なことに興味がありました。その中で産業革命下の酷い児童労働の実態を知り、就職活動を同時に進めていたこともあり、掘り下げていきたいと思ったことからこのテーマに決めました。
3年時に書評を書きましたが、もともと本をあまり読んでこなかったので、本を読んでまとめる作業が一番大変でした。また文章を書くことも苦手なので、2万字も書くなんて、と絶望していましたが、3年からの書評のストックのおかげで半分強ぐらいはあまり悩まず書けた気がします。
卒論の内容的には、時代背景、当時の子ども観、児童労働の実態、最後にほぼ同じ時代に社会の最下層であった奴隷と比較し、論文の問である「当時の児童労働者の人生とは、すなわち働くこと」という結論にたどり着きました。モチベーションを保てるテーマ設定が卒論を書きあげる鍵だと思います。
私は「フランスと日本の女性政策の比較〜なぜフランスでは女性の社会進出が進んだのか〜」というテーマで卒論を書きました。ゼミに入った当初、興味のあるテーマが見つかっていなかったのですが、書評という形で授業を進めてもらったおかげで、テーマを見つけることができました。また、3年生の早いうちから徐々に論文に関係のある書評を進めることで、余裕を持って論文を進めることができたのでとても良かったです。
武田ゼミでは、3年次には書評とその発表、4年次には卒業論文の経過報告と意見交換を中心に授業が展開されます。ゼミ生の論文テーマは、女性の人権、観光、アニメ、政治など多岐に渡ります。
私は「性教育とジェンダーの未来」という研究テーマで卒業論文を作成しました。このテーマを選んだ理由は、書評を重ねる中でフランスのリベラルな性教育の存在を知り、興味を持ったからです。論文中では、フランスと日本はエイズの流行を契機に性教育を開始するも、日本の性教育が遅れをとっている点に着目し、その問題点と改善方法について論じました。時には考えが煮詰まることもありましたが、教授やゼミ生から意見をもらい議論することで自然と考えを整理することができました。
2年間を振り返ると、武田ゼミの魅力は、ゼミ生の興味のある分野がバラエティに富んでいることだと思います。違う視点を持った学生が集まることで、自分では思いつかない考えや着想を得ることができ、より良い論文の作成に繋がると思います。また、新たに知識を獲得し、自分の視野が広がるため人間的にも成長することができると思います。