ドイツ長期語学研修を終えて

杉原花奈

 私はドイツ文化に興味があり、実際にドイツの文化(教会やクリスマスマーケット、車やビール等)を現地で見てみたいと思い、学部の長期語学研修に参加する事を決め、ドイツ北西部のミュンスターという街に2019年の8月から12月末までの間滞在していました。
 現地の語学学校には日本では中々出会うことの少ない国籍のクラスメイトが沢山いて、授業以外の会話から、ドイツ以外のヨーロッパ圏の多くの国の文化や制度の違いに触れられました。また授業内ではクラスメイトとそれぞれの国の様々な文化についてディスカッションした時には、それぞれの国での違いが沢山あり面白かったです。
 さらに学校外でも様々な出会いと経験がありました。
現地で音楽家として働く方や研究者として働かれている日本人の方々や、その方々の多国籍なご友人の方々等、全く異なる文化の中で育った様々な考えや価値観を持つ人方々が話してくださった事をきっかけに卒業論文の題材が決まり、卒業論文に必要なインタビューに協力して頂くことが出来、とても人の出会いに恵まれ充実した濃い時間を過ごせました。
 また私は留学の目的であった「文化を直接見てみたい」を叶えるために、現地の学校にただ通うだけではなく、実際にドイツで生活している中で自分の興味が湧いた文化に積極的に触れることにしていました。例えば、ドイツで生活していて興味を持ったクルマ文化を学ぶために自主的に休みを活用しアウトバーンに乗せてもらい、ドイツ車メーカーの博物館を見学に行くことで車文化について学ぶことができました。また、ドイツ発祥のクリスマスマーケットも住んでいるミュンスターで開催されるものだけでなく、その他の地域のクリスマスマーケットにも足を運びました。その他にもドイツ国内だけでなく、近隣国にも小旅行をしましたが、同じ国、同じヨーロッパでも、人の価値観や性格、文化の違いが地域によって顕著に現れている事に驚きました。
 このように自主的に行動し経験を得たことで、噂でしか知らなかった事や、ネットでしか見た事のなかった事、自分とは違う背景を持つ人と実際に関わり、目にする事で自分の視野が広がり、物事や人、自分自身を客観視できるようになったと感じています。またそれと同時にいままでの自分の考えや常識は如何に視野が狭く凝り固まった考え方だったと学び、1つの物事を様々な角度から考える重要性を学べました。これらの経験は今後仕事や家庭を持ったときなどにも活かしていける良い経験だったと思っています。
 留学した直後は語学学校に日本人が私1人で、友達もいなくて不安もありましたが、ミュンスターに住んでいる方達はとても優しくて、困っていると言葉が拙くても助けてくれ、魅力的な友人も沢山できた素敵な場所でした。
 たった5ヶ月間でしたが、4年間の学生生活の中でとても思い出深く幸せな時間になりました。来年からは社会人になりますが、ドイツで出会った人達のように、自分のやりたい事に真っ直ぐな優しい人になれるように頑張りたいです。