江頭ゼミ

3年ゼミ一同

 今年度はコロナ禍の混乱の中、前期はオンディマンドでDeborah Tannenの “You just don’t understand”を原書で読み、女性の話し方の特徴である「ラポートーク (Rapport Talk)」と男性の話し方の特徴である「レポートトーク (Report Talk)」について理解を深めました。Tannenによれば,この男女の話し方の違いこそが,男女のミスコミュニケーションを引き起こすものであり,この違いを理解することで男女のコミュニケーションはうまく行くととのことです。簡潔にラポートークとレポートトークをまとめると,前者は会話を通して会話相手と似たような経験や考えを話すことで、居心地の良さを感じ、親密感を作り出す話し方で,後者は会話相手に、自分が持っている知識、技術、情報を相手に示すことによって、自分の社会的立場を守ったり、改良したりする話し方です。
 後期はZoomを用いて授業を進めています。後期は,Tannenの “Talking 9 to 5”の訳書『どうして男は、そんな言い方 なんで女は、あんな話し方』を読んでいます。この本の中では,女性のラポートークと男性のリポートトークはそれぞれ6つのタイプに分類されると主張されています。この6つのタイプを,Tannenが示している具体例を通して,この6つのタイプの理解を進めています。授業では3人1組のグループを作り,1グループ15ページの要点をまとめ,パワーポイントを用いて発表しています。また授業の中では、論文や著書からの引用の方法、脚注の付け方、客観的表現の方法などを学びながら、来年の卒業論文に備えています。

4年ゼミ一同

 4年ゼミでは,学生それぞれが日常生活の中で交わされる,男女の会話を収集することから始まります。主に収集した会話内容は男女の会話ですが,同性との会話も含まれています。また収集されたデータは,年齢の差によって分類されていて,バリエーションに富んだ豊かなデータになっています。データ収集後は,会話データの簡単な記述を行い,分析へと進んでいきます。分析は3年次に学んだDebora Tannenによる会話分析の研究書である, “You just don’t understand” (『分かり合えない理由』), “Talking from 9 to 5” (『どうして男は、そんな言い方 なんで女は、あんな話し方』)を通して,分析が進められます。分析の中で,Tannenの分析に一致するものと一致しないものを分類し,特に一致しないものに焦点をあて,なぜ一致しない点が生じたのかを,男女の心理,男女の脳の構造などの観点から探っていきます。
 今年度は,コロナ禍という異常な環境の下で,オンラインという不便な環境の中で授業に参加しなければなりませんでした。このような中で卒論を完成することができるか不安を感じましたが,毎週個別に卒論指導を行ってもらうことができ,だんだん不安はなくなりました。毎回先生が課題を出してくれ,それを1~2週間様々な文献を読み,少しずつ解決していくことによって卒論を進めることができました。