台湾長期語学留学

小出彩加

 私は、2019年9月から翌年2月まで国立台湾師範大学語学センターへ語学留学をしました。比較文化学部には、学部独自の留学制度があることを知り、その制度を利用して中国語を話せるようになりたいと思い、留学を希望しました。台湾への留学を決めた理由は、一度旅行で訪れた際に、台湾の歴史や文化、日本と台湾の違いなどをもっと知りたいと感じたからです。
 台湾への留学を希望する学生は、私一人だけだったので、事前準備や現地に着いてからの生活に対して不安がありました。特に、初めて会う学生と寮で共同生活することに対しての不安が大きかったです。プライベート空間がない共同生活は今まで経験したことがなく、辛い時もありましたが、お互いに中国語の授業を復習しあったり、一緒に出かけたりすることで良い関係を築くことができました。
生活に関しては、休日の外出を通して、今まで知らなかった場所や食べ物に巡り会い、台湾人の心の温かさに触れることで、台湾の魅力を存分に知ることができたと思います。また、自分の力で生活していくことの難しさを知り、支えてくれる周りの人への感謝の気持ちが大きくなりました。
 授業に関しては、1クラス9人という少人数で、一人一人の発言機会が多く、発音や会話練習を先生にしっかりと見てもらえる環境でした。留学前は、リスニングがとても苦手で何度も聞かないと聞き取れなかったのですが、授業がすべて中国語で、リスニングのテストも繰り返し行われたので、聞き取る能力が上がりました。私が通っていた言語センターは、3ヶ月に一回大きなテストがあり、そこで合格すると次のレベルのクラスに進めるという制度でした。3ヶ月分の勉強範囲は広く、日々の予習や復習も欠かさずやらなければならないので、テスト前は勉強に追われましたが、しっかりと復習できるのでより知識を深めることができました。
 クラスに関しては、殆どがアジア諸国の人達で構成されていましたが、中にはアメリカ人、フランス人などもいました。教室内では、休み時間になるとクラスメイトとお互いの国について中国語で会話をしていました。そこで学んだことは、多くの国の人が日本に関心があるということです。タイ人のクラスメイトは、日本のアニメ文化に興味を持っており、ドラえもんのモノマネをしてみんなを笑わせてくれました。また、ベトナム人のクラスメイトは「日本はどんな国なの?」「日本では○○が流行っているよね?」などと沢山の質問をしてくれました。また、私の質問に対しても真剣に答えてくれ、触れたことのない言語や文化も教えてくれました。台湾留学を通して、台湾の文化を知るだけでなく、他の国の文化を知れたことは良い経験だったと思います。
 私は半年間の台湾留学で、多くのことを学び、自分自身を成長させることができました。半年間の貴重な学びを、これからの人生に活かしていきたいです。