武田 千夏 (教授) Takeda Chinatsu
読んで、調べて、書く。一見単調に思える作業の繰り返しが思考力を育んでいきます。毎日少しづつ勉強する習慣をつけてみませんか。
18-19世紀フランスを中心とした西洋史。政治思想史、政治文化。ジェンダー。
水曜日2時限目
水曜日昼休み
長い間自由という概念と折り合いをつけることが困難だったフランスの政治文化について研究しています。
フランスは単一の民族や文化によって成り立っている国ではありません。さまざまな民族の支配、多様な地域、変遷する政体など、多様性を一つにまとめ上げようとするところに「フランス精神」があるとも言われている所以です。そのため、前期の授業では多様性をキーワードとしてフランスの通史を学びます。時代的には、古代フランスの民族的成り立ちを振り返ってから、近世(16世紀ぐらい)から19世紀までを中心に取り上げます。具体的には、絶対王政、啓蒙思想、フランス革命、そして革命後のフランス社会についてです。これらの時代における宗教、ジェンダー、政治対立、生と死、旅行、文化の変遷などを扱いますが、政治、文化、ジェンダーの視点を重視します。フランス史を学びつつ現代フランスについての理解も深め、さらには明治時代以来フランスに強い憧れを持ってきた日本人の考え方への影響についても考えます。
特定のテーマを追求しつつ、論理的に自分の考え、感情をまとめる訓練を主眼としています。
その材料としてフランスを中心としたヨーロッパ19世紀におけるさまざまな自由の概念を学びます。アメリカとの比較、今日のフランスや日本の社会の現状なども扱います。
新カリキュラム | 旧カリキュラム |
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ヨーロッパ研究入門BⅡ(思想と宗教) | |
日欧関係論 | |
比較文化セミナーI・Ⅱ | |
比較文化演習I・Ⅱ | 比較文化演習12-I・Ⅱ |
フランス語セミナーCI・CⅡ(総合) | 現代フランス語基礎セミナーCI・CⅡ(総合) |
フランス語Ⅲ・Ⅳ | |
フランス文化研究I・Ⅱ | フランス文化研究I・Ⅱ(歴史と風土) |
区分 | 著書・論文名等 | 掲載誌・発行所等 | 発行年月 |
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論文 | ‘Deux origines du courant libéral en France’ | in Revue française d’histoire des idées politiques, no.18, pp.233-258. | 2003 |
論文 | ‘Présentation des documents’ | in Revue française d’histoire des idées politiques, no.18, 2003, pp.363-397. | 2003 |
著書 | ‘Mme de Staël’, Greg Clayes (eds.), Routledge Encyclopedia of Nineteenth-Century Thought, | Routledge | 2005 |
論文 | ‘Apology of Liberty in Lettres sur les ouvages et le cacactère de J.-J.Rousseau: Mme de Staël’s Contribution to the Discourse on Natural Sociability’ | in European Review of History, Vol. 14, No.2, pp.165-193. | June, 2007 |
共著 | On a liberal interpretation of the French Revolution-Mme de Staël’s Considérations in Karyna Szmurlo ed. Germaine de Staël and the politics of mediation: Challenges to history and culture | University of Oxford | 2011 |
単著 | Mme de Staël and Political Liberalism in France. | Palgrave | 2018 |
論文 | 「‘教条主義の母、フランス自由主義の母’が意味するもの ―第三共和政期のジェルメン・ド・スタールとオルレアニズムの再生―」 | 『人間生活文化研究』(International Journal of Human Culture Studies), No.30, 2020, 245-267. | 2020 |
論文 | スタールの『コリンヌ もしくはイタリア』に込められた神話的要素:―「ラ・サアルのニンフ(妖精)」との関連性から― | 『人間生活文化研究』(International Journal of Human Culture Studies), No.30, 2020, 500-510. | 2020 |
書評 | “William Sellinger. Parliamentarism: From Burke to Weber” | The American Historical Review,vol.126-1, 2021, 265-266. | 2021 |