江頭 浩樹 (教授) Egashira Hiroki
Ockham’s rasor
理論言語学 生成文法理論
水曜日5時限目
人間はこの世に生まれてくると,ことばを理解し,話すようになります。私の関心は,人間がことばを操れるようになるには,どのようなメカニズム(文法)が必要かを探り当てることにあります。ここで言う文法とは,皆さんが中学・高校で学習した英文法や国文法とは異なった,全ての言語を説明できる普遍文法(Universal Grammar)を指します。人間が容易にそして早い時期に,言語を操れるためには数少ない文法のメカニズムを考えなければなりません。最近の関心はどこまで文法のメカニズムを少なくすることが出来るかにあります。
人と人がコミュニケーションをとる場合,その人達が同じ国に属していようと,一方の人が外国の人であろうと,自分の相手が属する文化を理解していないと,うまくコミュニケーションをとることは出来ません。ここで言う文化とは,狭義の文化で、具体的には,ことばを用いる人間が行う行動と,その有形無形の所産を指します。この授業では,特にことばがどのように文化と関わりあっているかを概観することになります。
言語の研究には人間本質(nature)へのアプローチと、文化・慣習(nurture)へのアプローチがあります。本ゼミでは後者のアプローチを研究します。一例を示すと、英語のfourth floor(4階)という表現の発音に関して、話者が属する社会的・経済的身分によって違いが生じます。社会的・経済的身分が高い人ほど、[r]をはっきり発音する傾向があります。年齢・性別、民族的背景、職業などの違いにより生じる言語使用の変化を研究します。
新カリキュラム | 旧カリキュラム |
---|---|
英語セミナーDI/DⅡ(発展) | 現代英語上級セミナーI・Ⅱ |
英語セミナーAI・AⅡ(理解) | 現代英語中級セミナーAI・AⅡ(理解) |
英語セミナーCI・CⅡ(総合) | 現代英語中級セミナーCI・CⅡ(総合) |
異文化間コミュニケーション概論 | |
言語と比較文化 | 異文化間コミュニケーション事例研究 |
比較文化演習I・Ⅱ | |
比較文化セミナーⅡ |
区分 | 著書・論文名等 | 掲載誌・発行所等 | 発行年月 |
---|---|---|---|
論文 | A Reanalysis of the Topicalization Construction in the Minimalist Program | Metropolitan Linguistics Vol. 15 P.31-P.51 | 1995.12 |
論文 | 極小主義による話題化と関係節化 の再分析 | JELS (日本英語学会) | 1997.3 |
論文 | Topicalization and Relativization in Minimalist Syntax | English Linguistics Vol.14 P.28-P.51 (English Linguistic Society in Japan) | 1997.11 |
論文 | Some Remarks on the English Tough Construction | Metropolitan Linguistics Vol. 18 P.16-P.29 | 1998.11 |
共訳 | 入門ミニマリスト統語論 (1)第9章分離投射P.271~P.309 (2)索引・用語解説P.354~P.381 | 研究社 | 2006.3 |
論文 | Some Remarks on the Subextraction from the Infinitival Subject: An Excorporation Account | Metropolitan Linguistics Vol.26 P.20-P.34 | 2013.12 |
論文 | On Extraction from Subjects: An Excorporation Account | 青山学院大学大学院文学研究科 | 2015.3 |
論文 | 主語からのWh移動の可能性について | 開拓社 | 2015.3 |
日本英語学会 日本言語学会