銭 国紅 (教授) Qian Guohong
学びながら考え、考えながら学ぼう。
比較文化・比較思想・日中文化交流史
月曜日昼休み
木曜日昼休み
異文化へのビジョンやイメージの生成と転換を比較する
近代中国と近代日本におけるグローバル化の歩みの比較を試み、その本質と特徴を明らかにするとともに、西洋だけでなく、日本からも刺激を受けた近代中国の等身大な姿を見つめ再評価します。日本の米欧訪問記を読むことにより、日本人の世界認識と中国認識、文明観、日中関係の変化と特徴を分析し、その意味するところを把握します。具体的には生(原文)の資料や漢文調日本語を読解する一方、現在の中国・日本の新聞やマスコミに出ている関連記事や話題をも取り上げ、歴史と現在との関係性を思考します。歴史と風土からアジアの近代を学び、日本の「近代」と中国の「近代」との比較を試みることにより、自分の言葉で日中近代の相互関係や本質特徴を説明することができるようになることを目標にしています。
現在はアジアの世紀と言われているほど、世界におけるアジアの存在が大きくなっています。しかしアジアとアジア(日本)、アジアと世界がどうあるべきかについては、十分な議論がされておらず、歪んだアジア像がいまだに横行しているのが事実です。そこでアジア(中国)とアジア(日本)、アジアと欧米の相互認識をとらえ直し、日本によってアジアとは何かを考えましょう。前期では資料を購読し、多文化主義、文化相対論とは何かを問いかけます。また「アジアがアジアを視る」「アジアから視る」「アジアを欧米から視る」という三つの切り口から、時代背景や関連事項、関係人物を調べ、その意義を議論します。後期では各自が中国と日本について興味のあることを挙げ、互いの関心や問題意識を探り合います。
新カリキュラム | 旧カリキュラム |
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アジア文化研究DI・ DⅡ | アジア文化研究DI・ DⅡ(歴史と風土) |
中国語セミナーBI・ BⅡ(表現) | 現代中国語基礎セミナーBI・BⅡ(表現) |
比較文化演習I ・Ⅱ | 比較文化演習11−I ・Ⅱ |
比較文化セミナーI ・Ⅱ | |
アジア研究入門BI ・BⅡ(思想と宗教) | |
中国語Ⅲ・Ⅳ | |
国際日本文化研究Ⅱ(大学院) | |
アジア文化研究演習:国際(大学院) |
区分 | 著書・論文名等 | 掲載誌・発行所等 | 発行年月 |
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訳著 | 『心理測験 幸福的設計』(本明寛著『心理テスト 幸福の設計』 社会思想社) | 科学普及出版社広州分社 | 1988年 |
共著 | 『日中両国の伝統と近代化』 | 龍溪書舎 | 1991年 |
単著 | 『アジアにおける近代思想の先駆―佐久間象山と魏源』 | 信毎書籍出版センター | 1993年 |
共著 | 『グローバル・ヒストリーに向けて』 | 藤原書店(川勝平太編) | 2002年 |
単著 | 『日本と中国における西洋の「発見」―19世紀日中知識人の世界像の形成』 | 山川出版社 | 2004年 |
単著 | 『走近西洋和東洋―中日世界意識形成的比較研究』 | 商務印書館 | 2009年 |
学術雑誌 | 「東アジアにおける新文化の形成と伝統」 | 『台湾東亜文明研究学刊』、国立台湾大学人文社会高等研究院、11巻 1号21頁 | 2014年 |
学術雑誌 | 「詩史交響の東洋狂想曲ー清末文人黄遵憲の「日本」像ー」 | 岩波『文学』、16巻6号96頁 | 2015年 |
共著 | 『「心身/身心」と環境の哲学ー東アジアの伝統思想を媒介に考えるー』 | 汲古書院刊(伊東貴之編) | 2016年 |
共著 | 『「明治日本と革命中国」の思想史ー近代東アジアにおける「知」とナショナリズムの還流ー』 | ミネルヴァ書房(楊際開 他 編) | 2021年7月 |
共著 | 『東アジアの王権と秩序ー思想・宗教・儀礼を中心として』 | 汲古書院(伊東貴之編) | 2021年10月 |
単著 | 『国家の想像と文化自覚―日中グローバル化の史的研究』 | 汲古書院 | 2022年 |
単著 | 『近現代中国の儒教』 | 日本経済評論社 | 2023年 |
国際中国哲学会、日本比較文学会