本ゼミ4年生の小早川さんの日本のペットショップの現状と課題に関する発表を聞き、日本社会においてペットの存在をどのように位置づけるべきか、深く考えるきっかけとなりました。これまで私自身も、ペットと営利が結びついた日本ではペットショップという制度の廃止が最善なのではと考えていましたが、発表を通して、日本の現状に即した制度づくりの重要性に気づかされました。特に日本の文化的背景がペットの社会的位置付けに関わっていると知り、海外の形態を真似るだけの簡単な解決策は無いのだと感じました。
また、卒論の構成もとても参考になりました。実際の企業や法人へのインタビューを通して、現実的な課題を見つけ、小早川さん自身の意見を見つめ直していた点が卒論を書く上で非常に重要な姿勢だと感じ、良い学びになりました。
研究の現実的な視点が非常に興味深く、海外の先進事例であるイギリスの譲渡型と比較しつつも、店頭販売型を無くすことは日本では非現実的とし、販売のあり方を変えるという現実的な着地点を見出された考察は、日本の文化や制度を踏まえた実践的な考えだと感じました。
また、自然動物が身近ではない日本において、ペットショップは子どもたちが気軽に動物と触れ合える貴重なきっかけを提供している側面もあると思います。このような役割を残しつつ、触れ合いを通じて将来的にペットを飼いたいと考える人が途絶えないようにすることも重要だと考えました。最終的なゴールとして、店頭販売=悪ではなく、改善を通じて動物と人の幸せを両立させる道を示すというビジョンは、日本のペット産業の未来を考える上で、単に動物福祉だけでなく、人と動物との関わりという視点からも重要な研究だと思います。
日本のペット産業が抱える問題は、制度の甘さだけでなく、私たちの動物との距離の取り方そのものに根深く関わっていると感じました。特に、日本ではペットが家族化している一方で、その裏側にある繁殖や売れ残りの現実がほとんど見えないまま、かわいい姿だけが消費されている構図が浮き彫りになっています。イギリスのように、動物を権利のある存在として扱う文化が長く積み重なってきた国と比較すると、日本はまだ、命を扱う仕組みを社会全体で設計しきれていないのだと痛感させられました。
また、企業とNPOのインタビューの対比が印象的でした。利益を前提としながらも責任の所在をどう作るか悩む企業と、制度の限界に向き合いながら現場の動物を守ろうとするNPO。この両者が別の立場に立ちながら、同じ問題に直面していることに、産業全体の構造的な歪みが表れているように感じました。単なるペット問題ではなく、私たちも含めた日本社会の価値観が問われているテーマだと改めて考えさせられました。