キャビンアテンダントになりたい。小学生だった頃の私はそんな夢を抱いていた。航空業界で働くことに憧れを抱いたことがある女性は少なくないだろう。小学生だった私にとって、キャビンアテンダントは輝いて見えた。そのため、私は積極的に英語学習に取り組んだ。高校の英語の授業では、いつも1番上のクラスに振り分けられていた。自分は周りより英語ができる方だと思いこんでいた。ところが、英会話の授業では、まったく結果を出せなかった。それだけでなく、私より下のクラスに振り分けられていた生徒の方が、ネイティブスピーカーの先生と上手にコミュニケーションを取れていた。そして、私はまったく英語ができないし、聞き取ることがとても苦手だと感じてしまった。それ以来、「キャビンアテンダントになりたい」と思うことはなくなってしまった。
羽田空港サービスグループ国際線グランドスタッフの募集対象は、「TOEICスコア500点、英検2級以上もしくはそれに相当するスキルをお持ちの方が業務上望ましい」(マイナビ2026)とされている。しかし、「TOEICスコア500点」や「英検2級以上」を持っていても、英語をうまく話せない人はたくさんいる。試しに、「英検2級 英語話せない」とインターネットで検索してみた。すると、英検2級を持っていても英語が話せない人向けに学習方法を教えてくれるサイトや、話せないことについて悩んでいる人の投稿がたくさん出てきた。日本人がこのような問題に直面する理由は、英語を話す・聞く練習が足りないからであると考える。学校の授業は真面目に受けて、テスト対策は十分しているが、実際に話したり聞いたりする練習はさほど熱心にしてこなかったという人はたくさんいるだろう。私もそんな学習者の一人であった。
大学に入学後、3年ゼミの授業で、竹蓋幸生千葉大学名誉教授によって提唱された、「三ラウンド・システム学習理論」に出会った。この学習方法では、1つのストーリーを繰り返し深く学ぶことが出来る。何度も学習するうちに、聞き取れる表現が多くなり、理解が深まり、聞き取りが上達した実感がわいた。また、学習者のレベルに合わせた難易度の教材が複数用意されているため、楽しく英語を学習することができた。そこで、卒業論文では、英語を聞き取ることが苦手だと感じる大学生を対象とした英語教材を自ら作成することにした。教材化に際しては、映画『ナイトミュージアム』を素材に選定した。
本論文は、次のような構成となっている。第1章では、「三ラウンド・システム理論」を紹介し、この理論に基づいて作成した教材について説明する。第2章では、素材とした映画『ナイトミュージアム』について説明する。第3章では、作成した教材を2種類提示する。