貫井ゼミ

貫井ゼミ

近藤萌乃

 貫井ゼミでは、3年生12名それぞれが全く異なるテーマを掲げ、主体的に研究を進めています。前期には、まず自分自身が興味を抱いている対象について自由に調査を行い、その成果を約10分の発表としてまとめました。後期からは、前期の研究テーマをさらに掘り下げる人、あるいは前期の発表や他の学生の発表を聞く中で新たに関心を持った分野へと研究対象を広げる人など、方向性は多様です。いずれも前期と同様、約10分の発表を行い、それぞれの関心に沿った研究を継続します。授業の進行としては、まず前回の発表時に寄せられた質問への回答から始まり、その後、当日の発表者の発表へと移ります。発表後には質疑応答の時間が設けられており、発表に対する疑問点や意見、気づきを共有し合うことで、発表者の理解をより深めると同時に、受講生全員の知識の蓄積にもつながっています。質疑応答は、単なる質問にとどまらず、研究をより広い視点から捉えるきっかけとなる、貫井ゼミにおける重要な時間です。
 また、発表後には貫井先生からの丁寧なフィードバックがあり、内容の正確さや論理構成、資料の扱い方などについて細やかなご指摘を頂くことができます。貫井先生の専門分野は西洋美術史ですが、学生が扱うテーマはそれ以外の分野にも広がっています。にもかかわらず、先生は幅広い知識をもって対応してくださり、どの学生の研究に対しても的確な助言をいただけます。さらに、どのテーマであっても背景には西洋の歴史や文化とのつながりが見出せるため、一見異なるテーマを扱う学生同士でも、互いの発表が自身の研究に刺激を与えるという点も、貫井ゼミの魅力のひとつです。
 3年生の冬頃には、いよいよ卒論の大まかな方針を定めていく段階に入りますが、その卒論テーマも多岐にわたります。例えば、「印象派の起源」「西洋の食文化」「古代ローマ建築」といったように、学生の興味関心を反映した多彩なテーマが並びます。このように、貫井ゼミの最大の特徴は、扱えるテーマの幅の広さにあります。特定のテーマに絞ったゼミではないため、「自分の興味に完全に合うゼミが見つからない」「研究したいテーマがまだはっきり定まっていない」といった悩みを抱える学生にとって、貫井ゼミは自分の関心や好きなものを自由に探求できる、非常に柔軟な環境となっています。
 また、テーマの掘り下げ方や研究の方向性、参考文献の選び方に至るまで、貫井先生が基礎から丁寧に相談に乗ってくださる点も、大きな安心材料です。私自身も研究の方向性に迷っていた際、貫井先生に個別で面談をしていただき、「今の段階で何をすべきか」「どのような視点でテーマを絞っていくべきか」「どの文献から読み始めるとよいか」など、非常に細やかなアドバイスをいただきました。そのおかげで、自分の研究をどのように進めていけばよいかが明確となり、以降の調査や発表にも大きな指針となりました。
 比較文化学部の学生にとって、4年生で取り組む卒業論文は大きな課題のひとつです。しかし、貫井ゼミでは3年生の段階から卒論を意識し、一年を通して行われる計5回の発表を通じて、研究に必要な知識や視点を早い段階から身につけることができます。自分の興味関心を起点にしながらも、専門的な指導のもと着実に研究を深めていける点は、将来の卒論執筆に向けて大きな力になるはずです。

基礎を大切に

佐藤真宇

 貫井ゼミでは、自分が関心を寄せるテーマをもとに文献を読み、調査した内容を発表しながら研究を深めていきます。毎回の発表では、調べた内容をどのように整理し伝えるかが問われ、資料作成の工夫や論理的に話す力が鍛えられます。また、発表後の質疑応答では、想像していなかった角度から意見や質問が寄せられ、その新しい視点から自分のテーマについての理解が深まることもあります。他のゼミ生の研究に触れることで、自分のテーマとは遠いと思っていた分野にも意外なつながりが見つかることがあり、視野が広がっていくのを実感できます。
 私が貫井ゼミを選んだ理由は、もともと家族旅行がきっかけでスペイン文化に興味を持つようになり、その文化背景を専門的に学べる環境を探していたからです。実際にゼミに所属してみると、まずは自分の関心領域に向かう前に、スペイン史など基礎的な部分をしっかり固める時間がありました。3年生の前期は文献を読み込み、疑問点を先生に質問しながら土台作りをしていきました。その後、夏頃からフラメンコを中心に幅広く調べ、4年生ではテーマを絞って本格的な研究に移りました。自分の研究テーマを「なぜ調べたいのか」「何を明らかにしたいのか」と問い直し続けるゼミの方針は、研究を深めるうえで大きな支えになりました。
 ゼミでは月に一度、自分の調べた内容をレジュメとパワーポイントにまとめて発表します。そのサイクルは想像以上に密度が高く、準備の段階からテーマの理解が大きく進みます。調べていくうちに新しい疑問が次々に生まれ、それをどう扱うかを考える過程も研究の一部でした。発表の後、先生やゼミ生から「この視点はどう?」「この資料も使えるかもしれない」といった助言をもらえるため、毎回自分の研究が少しずつ形になっていくのを感じられました。とくに貫井先生は、背景となる歴史や文化を丁寧に説明してくださるので、自分の研究が大きな文脈の中でどう位置づけられるのかを理解しやすかったです。
 ゼミの雰囲気は少人数で落ち着いており、穏やかに議論が進む環境でした。私は研究の進め方に悩むことも多く、先生にご迷惑をかけてしまったと感じる場面もありましたが、貫井先生は最後まで根気強く向き合ってくださいました。一人ひとりのペースを大切にしつつ、必要なところではしっかり方向性を示してくださる姿勢に、とても励まされました。基礎を大切にする先生の指導方針に触れるうちに、物事を丁寧に理解し、裏付けを持って考える習慣が自分の中に定着したのを感じています。
 このゼミの大きな魅力は、扱えるテーマの自由度が高いことです。私のように音楽や舞踊に関わるテーマを研究する学生もいれば、美術や建築を扱う学生もいて、研究対象は本当にさまざまです。異なるテーマであっても、発表や議論を通して思いがけない共通点が浮かび上がることがあり、互いの研究が良い刺激になっています。こうした多様性の中で、自分の興味を深めながら同時に視野も広げられる点は、このゼミならではだと思います。研究を通じて、テーマに対する追求力や、自分の考えを言葉にして伝える力が身につき、大きく成長できました。