2025年10月9日5限の文化交流論の授業では、特別講師に西林万寿夫氏(元駐ギリシャ大使、前ローマ日本文化会館館長など)、藤川真由氏(明治大学大学院)、支倉正隆氏(支倉常長家第14代目当主)をお招きし、16世紀末~17世紀前半に日欧の文化交流を行った天正使節と慶長使節について貴重なお話しをうかがった。
西林氏には文化外交という概念について、また天正使節と慶長使節、それぞれにまつわるモノ(近年発見され話題を呼んだ伊東マンショ肖像画、イタリアやキューバなどに建てられた支倉常長銅像)に関してお話しいただいた。ちなみに西林氏にはこれまでも学部のギリシャやイタリア研修の際大変お世話になってきている。
藤川氏はイタリアの美術史を専門としておられ、天正使節や慶長使節関連の美術品に関して業績があるが、今回はあえて天正使節団が食したイタリア食材、特にチョウザメの肉と卵(キャビア)を中心にお話しいただいた。学部の研修でも世界各地の食文化は毎回人気のテーマであり、今回も学生たちは藤川氏のお話に興味深く聞き入っていた。
支倉氏は支倉常長直系のご子孫として、慶長使節がその家名の起源といわれる、スペインのハポン姓の方々との交流に積極的に関わってこられた。今回は支倉常長がその長旅で訪れた世界諸都市を繋ぐ支倉都市同盟についてなど、ご先祖ゆかりの国際交流事業について詳しくお話していただいた。
通常と異なり3名の講師に1限の時間内でお話しいただいたので大変タイトなスケジュールになってしまった。本来であれば個々の先生方に1時間半、あるいはそれ以上でもお話しをうかがいたいところであった。今回は異なる角度から近世の日欧交流についてお話しいただき、大変内容豊かな会となった。講師の先生方、参加された皆様全員に心から感謝したい。