私自身は、伊藤さんの卒業論文を聞いて、私たちの日常は思っている以上に「美」に縛られているのだと感じました。SNSの普及によってその基準は過激化し、若者の心身に大きな負担を与えているという点は、特に印象に残りました。「美の神話」という考え方が社会によって作り上げられ、私たち自身がその枠組みにとらわれていることに気づかされたのも大きな発見でした。
ゼミでの議論でも、多くの人が日常的に「美」に対するプレッシャーを感じていることがわかり、現代的で興味深いテーマだと感じました。美容整形が手軽になり、より美しくあることが当然のように求められる今の時代は、無意識のうちに外見を基準にした価値観へと引き寄せられてしまっているように思います。
さらに、ルッキズムの問題が、単なる個人のコンプレックスや美意識の話ではなく、社会構造や労働環境にまで深く根ざした問題であるという点にも驚きました。普段何気なく見ているSNSや広告が、私たちを美の基準に近づけようとする圧力になっていることに気づき、疑問を抱くきっかけにもなりました。美しさを求めることが悪いことではなく、自分にとっての理想や美を問い直してほしいというメッセージが伝わりました。
また、この論文の中でも挙げられていた「ありのまま」や「自分らしさ」という言葉は、私自身の卒業論文のテーマとも重なります。私は、日本社会に根強く残るジェンダー・バイアスがどのように形成され、どのような場面で再生産されているのかを明らかにするとともに、北欧諸国との比較を通して、誰もが自分らしく生きられる社会を実現するために必要な条件について考察しました。
今後、社会の中で多様な「自分らしさ」が尊重され、人々が外見に縛られずに生きられる社会になってほしいと感じました。