2023.09.18

⑤ヨーロッパ文化研修対談ー観光では味わえないギリシャ体験!!

今回は、比較文化学部主催のヨーロッパ文化研修 (ギリシャ)に参加されたお二人にヨーロッパ文化研修についてお話いただきました。引率は、西洋古典学が専門の渡邉顕彦先生。日程は、2023年3月2日から13日まで。訪問都市や施設は、アテネ、パナイア・ファネロメニ修道院、コリントス、ナフプリオン、パラミディ、ミケーネ、エピダウロス、スパルタ、モネンヴァッシア、ミストラ、カラマタ、オリンピア、パトラ、デルフィ、オシオス・ルカス、アテネ等です。詳しくは、こちらをご覧ください。

比較文化学部を選んだ理由は?

Sさん:
私はオーケストラに入っていたこともあり音楽もミュージカルも好きで、英国の王室行事も含めて、ヨーロッパの文化に興味がありました。文学部だとどうしても文学が中心になってしまうので、もっと幅広く学べて、一つの国に限定しなくていい学部を探し、比較文化学部を選びました。

Nさん:
私は映画が好きで映画について学びたいと思い、文系の学部をいろいろ調べて、大妻のHPを見たときに、比較文化学部というのは他の大学にはないので、まずそこに惹かれました。いろんな海外の文化を学べるので、ここで知識を得たうえで、ハリウッド映画を見ると、きっと違う視点から映画について学べるんじゃないかと思い、この学部を選びました。入学後は、映画だけではなくて、人種差別やジェンダーにも興味が広がりました。

ヨーロッパ文化研修 (ギリシャ)に行く前の準備は?

Nさん:
私は行く前に、『300 〈スリーハンドレッド〉』という古代ギリシャ時代に、たった300人の兵士でペルシア帝国の大軍に挑んだスパルタのレオニダス王の映画を見て予習をしました。Sさんは?

Sさん:
私は、ギリシャの観光、文化、歴史と、簡単なギリシャ語を紹介した本を読んで準備しました。飛行機の中でも、二人で、地名もギリシャ語で読めるように、ギリシャ語を練習しました。

持って行ってよかったものは?

Nさん:
いろんなコンセントの形にも対応できると変圧器を準備していきました。それから、足のラインが見える格好では修道院に入れないのでロングスカートも持って行きました。

ギリシャで役立った比較文化学部の授業は?

Sさん:
私はヨーロッパ文化コースなので、渡邉顕彦先生の「ヨーロッパ研究入門A(文化と社会)」でギリシャ神話についての講義を受けた後に、今回、実際にその神話の場所に行くことができました。現地では渡邉先生が詳しく解説してくださるので、事前知識を持ったうえで解説を聞ける特別な経験でした。帰国後になりますが、貫井一美先生の「ヨーロッパ文化研究A(地中海文明とヨーロッパ)」で、ギリシャの美術についての講義もあり、実際に自分が見てきたものについて授業で復習することができて、理解も深まりとても興味深かったです。

Nさん:
英語はギリシャでも使われているので、英語のスピーキングの授業がとても役に立ちました。授業で学んだ英語がそのまま通じました。

Sさん:
ギリシャは標識もギリシャ語と英語が併記されていて、街でもギリシャ語と英語が話されていたので、英語が話せれば大丈夫という感じでした。

特に思い出に残っているスポットは?

Sさん:
モネンヴァッシアです。モネンヴァッシアは対岸とは細い道でつながってはいるんですが、エーゲ海に面した中世の街並みが残る小さな島で、車が中に入れないんです。そこの崖の上にあるビザンティン様式の教会の跡地に行きました。 その教会に行くまで結構な時間をかけて上り続けるんですけど、その分、頂上からの景色はすごくきれいで、周り全面が海で、特別な気持ちになりました。

Nさん:
とても暑い日で、住宅街を通って、教会がある頂上まで上っていくので、たどり着いたときは涼しく、達成感もすごかったです。モネンヴァッシアは、侵攻からの避難場所にもなった場所なので、モネンヴァッシアにある住宅も周りの崖と同化するような色や石を使って、敵から攻撃を回避したそうです。

Sさん:
教会へは階段を歩いて上って行くのですがかなりきつくて、1時間ぐらいかかり、リタイヤしたお友達もいました。モネンヴァッシアの道は石畳なので、多くの人が歩くので、滑りやすくて大変でした。

Nさん:
モネンヴァッシアのせいか、私はモネンヴァッシアの次の日に、靴底が剥がれてしまったんです。幸い、渡邉先生から教会用も含めて靴を2足準備するように言われていたので助かりました。なかなか行けないところに行けて感激でした。

Sさん:
Nさんの思い出の地は?

Nさん:
エピダウロスの劇場です。1万人以上が入れる大きな劇場なのに、一番後ろの席まで、声が聴こえるんです。舞台の中心に丸い石があって、その上に立つと音が一番響くそうです。

Sさん:
オリンピアにも行ったんですが、実際にオリンピックの聖火に火を点す場所を見たり、初期のオリンピックの競技場も見たんですが、思ったより何にもない広場でした。ただスタートの線とゴールの線に石が並べてあるだけでした。

Nさん:
今回の研修で、日本からの観光客に会ったのは、パルテノン神殿だけでした。

Sさん:
今回、研修じゃないと、こんなたくさんの特別な場所に行けなかったと思います。

美味しかったものは?

Sさん:
オレンジです。ガイドのクリスティーナさんが、モネンヴァッシアのオレンジの農家の方に急に話かけに行かれたので、何かと思ったら、私たちにオレンジを分けてあげてほしいと頼んでくださったみたいで、突然、オレンジ狩りが始まりました。農家の方からお土産までいただいて、毎晩夜ご飯の後の夜食にいただきました。めっちゃ美味しいオレンジとマンダリンでした。

Nさん:
ホテルのレストランにも美味しい生絞りのオレンジジュースがあり、Nさんと一緒に、市販のオレンジジュースと飲み比べもしましたが、全然味が違いました。

Sさん:
ザジキというヨーグルトにニンニクやキュウリをいれて混ぜたソースディップも、ズッキーニのフリッターに添えられていて、さっぱりしてすごく美味しかったです。

Nさん:
修道院に行ったときに、現地の方がボランティアで昼食を作ってくださって、ほうれん草のパイも、独特な香辛料の変わった味と匂いだったんですが、とっても美味しかったです。

Nさん:
毎回、みんなで食べたランチには、サラダの上に、山羊のチーズがトッピングしてあって、それも忘れられない味です。オリーブの実が香りはいいのにしょっぱすぎるのには驚きましたが。

ヨーロッパ文化研修を経て、見方が変わったこと、より深く理解できたことは?

Sさん:
食文化ももちろんですが、写真ではわからないので、体験するのとしないのとでは全然違うと改めて思いました。

Nさん:
世界史の教科書で、古代のギリシャやヨーロッパの歴史を学んではいましたが、実際に行くと、全く違っていました。これまでは歴史の知識として知っていたことが、実際には当時の人の生活などの背景があり起こったことだとわかりました。例えば、レオニダス王の話だと、テルモピュライの戦いがあったことが歴史の教科書に小さな字で書かれているだけですが、実際にスパルタという都市に行ってみると、そこにはレオニダス王の大きな像が建てられていて、英雄的存在になっていることもわかり、レオニダス王への捉え方や見方が変わりました。

参加してよかったこと、よくなかったことは?

Nさん:
ギリシャでは、大らかな方がとても多かったです。

Sさん:
お買い物に行ったときにも、ただ値段を聞いてお金を払うだけではなくて、「どこから来たの?」とコミュニケーションを取ってくれて、私も質問してみたり、そのやり取りも温かな思い出になりました。

Nさん:
全日程は12日間、飛行機での移動を含めなければ10日間だったんですが、ガイドさんは、ずっとクリスティーナさんと仰る70歳ぐらいの女性でした。とても良くしていただいたので、最後お別れのときには、みんなで寄せ書きした色紙を渡しましたが、泣いていたお友達もいて、私も思いがこみ上げてきました

後輩へのメッセージをお願いします。

Nさん:
文化研修では、個人やツアーの観光旅行では行けないようなところにも行けるので、少しでも興味がある方は行っていただきたいです。
渡邉先生が、ブズーキというギリシャの伝統的な楽器の演奏会に連れて行ってくださったことも忘れられない思い出です。渡邉先生はギリシャ語もペラペラだし、渡邉先生と一緒じゃないと絶対に行けないようなところに、多数連れていってくださり、いつもフランクに解説してくださって、今、思い出してもどれも特別な体験でした。

Sさん:
先生と一緒じゃないと絶対にできない体験ばかりでした。
留学や語学研修だと長期になるし少しハードルが高くて迷っている方もいらっしゃるかと思いますが、文化研修は、留学に比べると気軽だと思います。実際に英語を使うこともできるし、文化も学べて、渡邉先生が一緒に行ってくださるので、普通の旅行では掘り下げられないような専門的なことについての解説もしてくださいますし、自由時間には自分たちで調べて行きたいところに行くこともできるので、ちょっとでも海外に興味があり、行くかどうか迷っているなら、ぜひ行ってみてください。