2023.08.22

④留学対談:留学(ドイツと台湾)ってどうですか?

今回は、ドイツのミュンスター(ヴェストファーレン・ヴィルヘルム)大学に留学した学生(以下、Gさん)と台湾の国立台湾大学に留学した学生(以下、Tさん)の「対談」をお届けします。 比較文化学部の学生は、国際センター主催および比較文化学部主催の海外研修に参加することができます。詳しくは海外研修ページをご覧ください。

比較文化学部を選んだ理由は?

Gさん:
国際的なことに興味があり、日本のことも比較して学べるということと、特にヨーロッパのことが好きだったので、コースでヨーロッパを選択できることも魅力で選びました。

Tさん:
高校の時から中国・台湾について勉強していて、その方向での大学を調べていたのですが、外国語学部では中国語のみ、文学部では古典が中心なことわかり、文化面も含めて多角的に学びたかったので比較文化学部がぴったりでした。

留学の動機は?

Tさん:
高校の時に2週間ほど姉妹間交流で台湾に行く機会があり、現地で自分の目で見て体感してこそわかること、印象に残ること、考えることがあるという体験をしたので、学生の間により長い期間で海外在住経験をしたいと思ったのきっかけです。

Gさん:
大学入学と同時にコロナの時期になり、一年以上思ったようなキャンパスライフが過ごせず、せっかく両親に学費を払っていただき大学生活を送るのに、何もがんばった成果かがなく私の4年間は一体何だったろうと後悔することが悔しくて、もともとドイツの文化が好きで、自分が勉強した言語を使って生活し、直接いろんな文化体験したいと思って決めました。

留学のための準備は?

Tさん:
いきなりコロナでの隔離が必要だったので、最低限使える中国語を事前に勉強しましたし、日本のことも説明できるように準備していきました。

Gさん:
ドイツ語の勉強は重点的にがんばりました。現地情報をネットで調べたり、ゼミ担当の渡邉先生が貸してくださった『ドイツで暮らそう』という本を読んだり、ステイ先の大家さんの奥様が偶然にも日本にいらっしゃったので、お会いして事前にいろいろうかがうこともでき安心感ありました。

留学先でのタイムスケジュールは?

Tさん:
台湾大学の語学センターは、午前・午後・夕方のコースがあり、一日を有効に活用するために、8時20分からの授業を選択しました。朝はシェアバイクを利用して通学し、クラスメートはほぼアメリカ、カナダの留学生でしたので、授業後はクラスメートと一緒に学食でランチして共通言語の中国語や英語でもコミュニケーションをとりました。午後は、大学(写真↓)の図書館やカフェで宿題をしてました。その後は友人たちと遊ぶことも多かったです。

Gさん:
夏は午前中が授業でしたが、9月以降は14時から授業でしたので(写真↓は大学です)、午前中は近くの湖の周りを散歩して、学食でランチした後に授業に通っていました。夜は、ドイツのNetflixは日本のNetflixとは配信作品が違うので、 日本ですでに見た作品をドイツ語で見て確かめたり日本では見られない作品を見たりして、リスニングの練習をしていました。

ドイツ・台湾だからこその体験は?

Gさん:
オクトーバーフェストやクリスマスマーケットの時には街全体、国を挙げて盛り上がるので、楽しかったです。サッカー熱も特別で、友人がサポーターだったので、サポーター用の専用送迎のバスに一緒に乗ったのですが、運転手さんが乗客全員にビールを配ってくれて、運転手さんも飲みながら歌いながら楽しくスタジアムに向かい、気分も最高潮でスタジアムに到着できました。1点ゴールしただけでビールをかけ合うほど盛り上がって応援するほど、ドイツのサッカー好きを満喫しました。それだけに FIFA World Cupでドイツが日本に負けた時には心配しましたが、みなさん「よかったね」と声をかけてくださいました。

Tさん:
国の規模も小さいので離島も含め、行きたいと思うところに実際に行くことができました。台湾の人たちは良く言えば寛容、悪く言えば適当なので、何か困ったことあっても「大丈夫」と言ってくれて、却って焦ったこともあったのですが、離れたからこそ日本の良さも感じたり、自分自身ももう少し寛容でもいいのかなとも思いました。台湾大学には日本との交流会があり、いろんな方々と交流ができたこともいい経験になりました。

帰国後恋しい食べ物は?

Gさん:
Linsensuppeという、ドイツの家庭料理である豆のスープがすごく好きです。ドイツのご飯はどれも味が単調で印象が同じなので、食に関しては飛び抜けて美味しいのはなかったです。日本の方が絶対的に美味しいです。

Tさん:
食べ物はどれも本当に恋しくて、一番を挙げるのが難しいのですが、暖かい気候ならではの豊富なフルーツです!ライチ、芭樂、マンゴー、パパイヤなどなど関東ではあまり食べられないフルーツを毎日たくさん食べることができて嬉しかったです。

留学先で役立った比較文化学部の授業は?

Tさん:
「アジア研究入門」「アジア文化研究」で学んだ台湾・中国などの基礎知識や、「日本の美術」や「日本における異文化」など日本についての授業の知識も役立ちました。

Gさん:
岩谷秋美先生「ドイツ文化研究Ⅰ」で、ドイツの建築物についての装飾や宗教について学んでいたので、実際に本物を見ることができて嬉しかったですし、上野未央先生の授業で学んだキリスト教の知識や、貫井先生の授業で学んだ美術の知識があったからこそより深く理解できました。

留学は自分自身の成長につながった?

Tさん:
自分の意見を持って自分から発信していかないと、周りの意見に埋もれてしまうし、困ってもだれも助けてくれません。留学先で様々なバックグランドを持った方と出会い、様々な価値観があることも知って視野が広がりました。居心地よい女子大にいるからこそ、行ってよかったです。

Gさん:
毎日がハプニングだらけだったので、ちょっとしたことでは動揺しなくなり、肝が据わったと思います。いろんな国のいろんな方と出会ったので、自分のこれまでの常識や知見だけでは考えられないような経験や価値観が知れたので、物事を多角的に見られるようになりました。

後輩のみなさんへへのメッセージをお願いします。

Gさん:
留学に行くことは、家族とも友達とも離れ、外国人となるわけなので、不安になり、行くことをためらうこともあると思いますが、実際にいってみたらいろんな体験ができるので、これからの人生の中で、社会人になってからも、留学での生活を思い出し、自分の自信になると思うので、迷っているなら絶対に行ってほしいです。

Tさん:
学部や大学の制度を利用して留学にいく予定がコロナによりかなわず、休学しての留学になったため、休学することへの不安もあったのですが、行って帰ってきて就活も終えて考えてみると、一年の休学は何のマイナスにもならず、就活においても、評価していただけましたし、プラスしかありませんでした。留学生活で頑張ったことがこの先ずっと思い出して温かくなれる心のよりどころになってくれると思うので、迷っているのならぜひ行ってください。

編集後記:コロナ禍の難しい時期に、留学の道を自ら選んだ二人の言葉には説得力があり自信に満ち、頼もしく、まぶしかったです。