2023.07.26

①ゼミ対談ー教えて先輩!(ヨーロッパ文化コース)

本日は、比較文化学部の加藤ゼミに所属する3年生と4年生の「対談」をお届けします。
加藤ゼミは、イギリスやオーストラリアの文学・文化を専攻する学生で構成されており、毎週学生の発表に基づいて皆でディスカッションを行っています。詳しくは、コース紹介ページをご覧ください。

比較文化学部を希望した背景

3年生:
先輩が、大妻女子大学の比較文化学部を志望した理由を教えてください。

4年生:
高校では「世界史」の授業に興味がありました。また、クラシックバレエを習っていため、海外への興味を持っていました。そこで、進路を決める際に大学について調べたところ、「比較文化」を学べる大学は非常に限られていることが分かりました。日本についても学べるということもまた、大妻女子大学の比較文化学部を志望する一因となりました。

比較文化の視点に立って

3年生:
比較という視点は興味深いですよね。私は2年次に岩谷先生の「ヨーロッパ研究入門 (ドイツ文学と芸術)」を受講しましたが、ヨーロッパの建築を地域ごとに比較しながら、相違点や共通点を見つけるのはとても面白く感じました。

4年生:
アジアとヨーロッパというように、地理的に遠い国同士の違いを知ることも面白いですが、ヨーロッパのように「互いに響き合うものをたくさん持ちながらも、その間に生じる違いを知ること」もまた、比較文化の醍醐味ですよね!

3年生:
私も先輩と同様に、加藤先生の「ヨーロッパ研究入門 (イギリス文学と芸術)」の授業を受講していました。比較の観点に立った時、特に印象に残ったことを教えてください。

4年生:
19世紀の英仏文学の比較が印象に残りました。「イギリスは『ジェイン・エア』のような婚活文学、一方のフランスは姦通文学が流行したこと」、これがとても興味深く感じられました! ロマンスを主題にした文学の流行をめぐって、様々な文化的土壌を共有する両国の間で何故これほどまでの違いが生まれたのかということについて、比較文化の視座から考察を行うことは、興味深い作業です。フランスという視点に立つことでより鮮明に照らし出される、イギリス文学・文化の特徴があることに気づきました。

卒業論文という集大成

3年生:
現在、卒業論文の執筆に取り組まれていますが、テーマを知りたいです。

4年生:
ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』を、優生学という視点から考察しています。優生学はイギリスで生まれてヨーロッパ各国に広がっていきました。イギリスとドイツでどのように優生学が広がっていったのかをこれから調べていこうと思います。2年次に受講した「ヨーロッパ研究入門 (イギリス文学と芸術)」で、時代背景を概観し、3年ゼミで具体的に文学テクストの読み方を学べたことは、私にとって大きな糧になっています。

3年生:
3年ゼミを通して自身の興味の幅を広げていきたいです。

4年生:
好きなものに敏感になり、そして、好きなもの増やしていく。すると、それらが自然に「化学反応」を起こして、新たな気づきが生まれていきますよ!

最後に―― ゼミでの気づき

3年生:
ゼミはまだ始まったばかりですが、毎回ゼミの仲間とディスカッションを行って異なる意見に触れることで、自分の視野が広がっているのを感じています。毎回、グループディスカッションを行った後に、グループの意見をゼミ全体に発信するのですが、毎回話すメンバーが変わることもまた、刺激になっています。

4年生:
そうですね。特にディスカッションを通して、文学テクストの表層には現れない「見えない何か」を探ることは楽しいですよね。

3年生:
はい!私は、「ヨーロッパ研究入門 (イギリス文学と芸術)」の授業で、『白雪姫』について学んだことが印象に残っています。今日ではおとぎ話として定着している『グリム童話』を、クリティカルに解釈し直すのは、興味深いです。

4年生:
意外にも、児童文学は同時代を風刺した辛口のものが多く驚きました。甘口に見える文学テクストの背後に隠された「見えない何か」を読み取るためには様々な知識を必要としますが、ここに文学研究の醍醐味がありますよね。フィクションでありながらも、その時代を生きた人の思いや歴史の様相といった「リアリティ」に触れることができたとき、文学研究における感動を覚えます!

編集後記 -ゼミ担当教員 (加藤彩雪)より-

今回は、イギリスやオーストラリアの文学・文化を専攻する2名の学生の対談をお届けしました。比較文化や文学研究について対話をしている2人の笑顔はとても輝かしく、頼もしく感じられました。